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「点をわたる」対談企画 vol.2




前回の対談では学部三年生が、音楽環境創造科のプロジェクトや研究室について、自身の興味のあることや研究テーマについて詳しく語ってくれました。今回は学部二年生による対談です。三年生と比べてラフな感じで話してくれました。


(学年の雰囲気が垣間見えるかも…)


音環について興味のある方は、必見です!


※対談という企画の性質上、正式な情報とは限らない場合があります。プロジェクトや研究室の活動内容、授業内容については、年度ごとに変わる可能性があります。今回取り上げる学生の作品や研究はあくまで一例であり、1人1人の興味・関心分野は異なります。他にどんな学生がいるのか気になった方は、ぜひアートパスへお越しください。




——本日は、音楽環境創造科2年生の各プロジェクトから3人に集まってもらいました。それぞれ自己紹介をお願いします。


左から上本さん、中村さん、近藤さん

近藤:プロジェクト音響の亀川研究室所属、近藤立基です。録音について考えることが多いんですけど、今はバンド編成によるマイキングやミックスを研究しています。


中村:プロジェクトアートプロデュースの毛利研究室所属、中村日向子です。入学してからずっと劇場の研究をしてたんですけど、最近は松本隆の歌詞について研究しています。


上本:プロジェクト創作の後藤研究室所属、上本裕太です。生の楽器を使って鑑賞者が没入してくれるような音楽を作りたいなと思っています。





——プロジェクトや研究室について教えてください。


近藤:例えば、音響心理に関わる実験をグループで行ったりしています。あとは、実際にレコーディングの現場で働いている人のレクチャーを受けたりしていますね。


中村:プロジェクト音響は藝祭でもアートパスでもめちゃくちゃ頼りになる存在だよね。


近藤:そうだね。ただ、録音だけにとどまらずインスタレーションをやっている学生もいるので、作品や研究の幅は広いと思いますね。


中村;毛利研は、個性的な研究をしている人が多くいます。例えば「死にたい」について研究している方やニーチェの哲学について研究している方がいたり。漫画や映画についての研究もあります。ほんとに広く深く自由に研究できる場ですね。普段は、レクチャー形式のゼミもあれば、美術館を見学するといったことも行います。


近藤:自分の好きなものからダイレクトに研究につながるイメージがある。


中村:それはあるかな。その時の興味によって研究テーマを更新していく人も多いね。


上本:後藤研は、先生の専門分野がMaxというソフトに関することなので、主にコンピューターで創作をするんですが、僕の同期はゲームを作ったり、AIを使った創作をしていたり、自由ですね。


中村:後藤研は誰よりも早くChat GPTを使い始めてそう(笑)


上本:みんなそれぞれソフトを使っている感じかな。それこそChat GPTを使いこなしてる同期もいます。


中村:テーマは音楽じゃなくてもいいの?


上本:大体みんな何かしらの音は使ってるんだけど、やりたいことや考えていることを実現するために手段として音楽や音が入ってくるという感じなのかも。





——プロジェクトを越えた繋がりってありますか。


中村:かなりあるよね。同期で集まって飲み会をしたり。





——そういう繋がりは作品に影響したり?


上本:直接的には影響しないかもしれないですが、自分が思いつくアイデアとかは変わるのかなと思ったりしますね。


中村:それこそさ、藝祭で演劇作品の発表をしてたじゃない?その時に同期に演者として参加してもらったり、ピアノを弾いてもらったりしてたよね。そういう風に一緒に作品を作ることもあるっていう意味では、一体感がある学年なんですかね…?


近藤:お互いに干渉しすぎないで、うまく協力できているのかなとは思いますね。





——今、皆さんはどんな作品制作や研究をしていますか。持ってきてくれたものもあるみたいですね。


中村:私は今、松本隆について考えているので、それ関連の本を三冊今日は持ってきました。最近、歌詞の分析がとても面白いと感じていて。


中村さんが研究の際参照している本

近藤:三冊に共通することはあるの?


中村:あの時書いた曲の種明かし、みたいなこともあるし、歌詞を読んで読み解くのにすごく助けになる。シンプルになんで松本隆かといったら「好き」だから。

中でも好きなエピソードがあって、大滝詠一の「A LONG VACATION」のアルバムの歌詞を松本隆が書くことになっていて、その直前に妹さんが亡くなったんだよね。

景色に色がなくなって詩を書けないってなって、半年ぐらい経って抜け出した時にぱって出てきたのが「君は天然色」の「思い出はモノクローム 色をつけてくれ」なんだって。とても感動して、それをきっかけに松本隆に関する本を読み漁ってる!


上本:僕は、1年生の時アニメーションの授業で書いた曲の楽譜を持ってきました。その時、楽譜を書いて演奏者に渡すという初めての経験をしたんですよね。そして最近はスケッチ用の五線譜を買って、オケを書いてます。


上本さんが1年生のときに書いた楽譜

近藤:でも、後藤研の中で楽譜で書いている人ってあんまりいないイメージ…?


上本:僕は、楽譜を書くタイプですね。今制作中の曲は、水鳥の赤ちゃんが主人公の物語をモチーフにしています。弦楽器、ピアノ、木管楽器を使って、その物語の世界観を表現します。


近藤:僕は大学院アニメーション専攻の方の作品に関わっていて、主にサウンドデザインを行ってますね。


中村:アニメーションの場合って、作者の方であったり、誰かと一緒に作品を作るってことだよね。1人で作る時とどんな違いがある?


近藤:まず、どうしたいかっていうのを明確に言葉で伝えないといけない。信頼関係も大事。あとは、スケジュール感をより意識して作りますね。何日までに録音を終わらせなきゃいけない、とか。1人じゃないからダラダラできない。


中村:私の場合はふたりに比べて締め切りの意識がそんなにないかも。2人は0から1を生み出すことに締め切りがあるもんね。あと、聞いてみたかったことがあるんだけど、ふたりは、人前で作品を発表するわけじゃない?恥ずかしいっていう気持ちある?


上本:自分が技術不足の時は少し恥ずかしかったりするけど、今の時点では「誰かに見せること」がまずは大事っていう風に思う。


近藤:「恥ずかしい」っていう感情は主観的なものだから、人にどう捉えられてるかは実際のところわからないよね。


中村:なんか、音環に入ると周りがすごそうに見えるじゃん?周りと比較して恥ずかしさを感じてしまったり、自分の浅はかさを意識してしまったり。でも最近は、自分自身、その部分については落ち着いたなと思います。入学時に比べて、同期のこともよくわかってきているので、「これに興味があります!」っていうのを言いやすくなったよね。


上本:頭ごなしに否定する人はいないよね。


近藤:一応みんな何か制作したり考えたりしている人同士だから、わかりあえたりするのかもしれないですね。





——普段の授業の中で一番楽しい授業ってあったりしますか?


上本:「ジャズ・ポピュラー音楽理論演習」ですかね。普段勉強してるようなクラシックの曲とは違う世界があって面白いっていうのと、みんなでセッションみたいなのをしたり楽しいなと。実は立基くんも前期最後の授業でベースで参加してくれました。


近藤:そうそう。僕が好きなのは「録音技法研究」ですかね。千住のスタジオを使っていろんな編成の音楽を録音して、一つの作品に仕上げるというものです。音環は理論的なことも学べるけど、その授業では実践的な事を学べるのでいいですね。


中村:毛利先生が教えている「文化研究演習」は面白いかな。前期はマーク・フィッシャーを読んだり、後期はプラットフォーム資本主義についての本を読んでますね。自分は好きな本しか読まないから、自分と関わりのなかった領域の本を読めるのは、とてもありがたいです。





——最後に、開催テーマにちなんで、大事にしたい《 点 / point 》はありますか?


中村:私が大事にしたいのは「頂点」。常にトップでありたいから。全ての分野で頂きに立ちたい。


一同:(笑)


中村:いや、冗談抜きに(笑)、やるからには一番を目指すのって大事だと思ってて。その分野といえば中村日向子っていうのを一つは作りたい!


上本:僕は「視点」ですね。普段人の話を聞いている時に、あんまりちゃんと聞いてあげられてないなと最近自覚して。相手の視点を読み取ってあげなきゃと思って、いろんな人の視点を考えながら会話するようにしています。


近藤:大事にしたいのは「力点」「支点」「作用点」つまり「力の三要素」です。僕たちの作る何かが「力点」で、その間を媒介するものが「支点」、そして、いろんなところを経由してアートパスにきた人に「作用点」として影響を与える。という事ですよね…


中村:さすが、まとめ上手!(笑)



——アートパスでの作品や研究発表も注目したいですね。楽しい対談、ありがとうございました!


文=遠藤玄大


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